仕事から家に帰った時、家族がピリピリとした空気を放っていて、思わず「おっと…」と身構えてしまった経験はないでしょうか。
職場で誰かが不機嫌そうにキーボードを叩いているだけで、自分まで落ち着かない気持ちになってしまう。
感情というのは、私たちが思っている以上に強い感染力を持っています。
不機嫌な人が一人いるだけで部屋全体の空気が重くなり、逆にご機嫌な人が一人いるだけで周囲の空気までパッと明るくなる。
だからこそ、日々の生活で私たちが最も陥りやすい落とし穴が潜んでいます。
それは、「誰か私の機嫌を直してよ」と、自分の感情のスイッチを他人に預けてしまうことです。
他人の顔色を伺う生き方をやめる
「あの人がもっと優しく接してくれたら、笑顔になれるのに」
「上司が理不尽な態度を改めない限り、自分は前を向けない」
このように考えてしまう気持ちはよく分かります。
しかし、冷静に考えてみてください。他人の感情や行動を、私たちが思い通りにコントロールすることなど絶対にできません。
それなのに、自分の心の安定を相手の態度に依存させていたらどうなるでしょうか。
相手が機嫌良ければ自分も天国、相手が不機嫌なら自分も地獄。
これでは、まるで自分の人生のリモコンを他人に手渡して、勝手にチャンネルを切り替えられているような状態です。
他人の言動に一喜一憂して振り回される毎日は、本当に疲れます。
その悪循環を断ち切る唯一のルールが、「自分の機嫌は自分で取る」と決めることです。
ポケットに「ご機嫌スイッチ」を5個用意しておく
自分の機嫌を自分で取れるようになる一番の方法は、日頃から「自分を立て直すためのスイッチ(引き出し)」を複数持っておくことです。
何か嫌なことがあった時、何も手持ちのカードがないから、ベッドの上でスマホを眺めながらいつまでもモヤモヤを引きずってしまう。
そうではなく、「これさえやれば、自分の気持ちはリセットできる」という具体的な行動パターンをあらかじめ用意しておくのです。
私自身、感情が乱れそうになった時は迷わずサウナへ駆け込みます。
熱いサウナ室で汗を流し、冷たい水風呂に浸かり、心地よい外気浴で風に吹かれる。
ただそれだけのことで、頭の中をぐるぐる巡っていた悩みや苛立ちは、きれいに洗い流されていきます。
サウナでなくても構いません。
- お気に入りの着心地の良い服を着る
- 静かなカフェで誰にも邪魔されずにコーヒーを飲む
- 好きな音楽を聴きながら緑の多い道を散歩する
- 大好きなスイーツを自分へのご褒美に食べる
どんなに小さなことでも構いません。「自分をご機嫌にする引き出し」がポケットにいくつあるかが、そのまま心の強さになります。
悩みを吹き飛ばす「大自然」の圧倒的な力
もし、小さなスイッチでもどうしても晴れない深いモヤモヤを抱えてしまった時は、海や森林などの「大自然」に触れに行くのがおすすめです。
見渡す限りの地平線、打ち寄せる波の音、木々のざわめき。
自分という人間よりもはるかに巨大で、悠久の時を刻んでいる圧倒的な存在の前に立つと、人間の脳内では「Awe(畏敬の念)」と呼ばれる感情が呼び覚まされます。
心理学の研究でも実証されている通り、人は自分より圧倒的に大きな存在を前にしたとき、自分自身への過剰な執着から解放されます。
「こんなに広い世界の中で、自分がクヨクヨ悩んでいたことなんて、宇宙のチリみたいなものだな」
そうやって悩みが自然と小さく思えてきたとき、心には新しいエネルギーが満ちてきます。
自分の感情の手綱を握り直そう
感情をセルフコントロールするというのは、怒りや悲しみを押し殺して我慢することではありません。
「嫌な感情が湧いてきたら、自分で選んだお気に入りの行動で、自分の機嫌をサッと直してあげる」
たったそれだけのことです。
他人がどんな態度を取ろうと、自分の心のハンドルは誰にも渡さない。
あなたをご機嫌にできる一番の名人は、他の誰でもなく、あなた自身です。
お気に入りの場所や時間を大切に抱きしめて、今日も自分らしい軽やかな一日を過ごしていきましょう。