「何度注意しても指示待ちのままで、自分から動いてくれない」
「良かれと思って正解を教えたのに、なぜか不満そうな顔をされてしまう」
職場での部下育成や家庭での子育てにおいて、相手の主体性を引き出せずに悩んでいる方は少なくありません。
相手のためを思ってアドバイスをし、最短の正解を教えてあげる。
一見すると親切な関わり方に見えますが、実は「答えを与え続けること」こそが、相手の考える力を奪ってしまう最大の要因です。
今回は、相手が自ら考え、前向きに行動を起こすようになる「2つの質問術」について詳しくお伝えします。
正解を教えても、人が動かない理由
教育やマネジメントの現場でよく見られるのが、「教えすぎ」によるモチベーションの低下です。
人間には、「自分で自分の行動を決めたい」という自己決定の欲求が備わっています。
どれほど論理的で正しいアドバイスであっても、他人から一方的に与えられた指示に対しては、「やらされ感」が先行してしまいます。
相手を動かそうと指示を重ねるのではなく、相手自身の口から「こうしたい」というゴールの言葉を引き出すこと。
これこそが、自走する人材を育てる対話の土台です。
思考を広げる「オープンクエスチョン」
相手から答えを引き出すために活用するのが、2つの質問の使い分けです。
まず1つ目が、「オープンクエスチョン」です。
オープンクエスチョンとは、「はい」「いいえ」ではなく、相手が自由に考えを巡らせて答える質問のことです。
- 「今回の企画、どんなゴールを目指したい?」
- 「どうすればチーム全員が楽しく取り組めると思う?」
- 「いま一番気になっている課題は何かな?」
オープンクエスチョンを投げかけることで、相手の思考が一気に広がり、頭の中に眠っていた本音やアイデアが引き出されます。
まずは相手の考えを否定せずにじっくりと聞き、相手の世界観を把握することが大切です。
決断を後押しする「クローズドクエスチョン」
しかし、オープンクエスチョンだけでは相手が言葉に詰まってしまう場面に直面します。
相手がまだ全体像を描けていなかったり、選択肢が多すぎて迷ってしまっている場合です。
そこで登場するのが、2つ目の「クローズドクエスチョン」です。
クローズドクエスチョンとは、「はい / いいえ」で答えられる質問や、選択肢を限定した質問のことです。
- 「資料作成から始める?それともスケジュール調整から進める?」
- 「A案とB案なら、どちらが今回の目的に近いかな?」
- 「今日中にできそう?それとも明日まで必要?」
質問力の極意は「相手の口から言わせる」こと
この2つの質問を使いこなす上で、最も大切にしたい原則。
それは、「質問する側が事前にゴールを描いておく」ということです。
目指すべきゴールをこちらが把握した上で、
1. まずオープンクエスチョンで思考を広げ、
2. クローズドクエスチョンで選択肢を絞り込み、
3. 最後に「じゃあどう進める?」と相手自身の言葉で決定させる。
「指示されたからやる」のではなく、「自分で気づいて、自分で選んだ」という感覚を相手の中に残すこと。
この対話の順番を意識するだけで、相手の行動スピードと責任感は見違えるほど高まります。
明日からできる最初の一歩
明日、部下や家族と会話するときは、指示を出す前にまずこう問いかけてみてください。
答えを急かさず、相手が自分の言葉で語り出すのを静かに待つ。
その受容の姿勢が、周りの自立心とあなたへの深い信頼を育てていきます。
ぜひ明日からの対話の中で、優しい質問の力を試してみてくださいね。
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はちすゆうき(ゆきにいさん)
0-1起業家・エグゼクティブエディター。
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