こんにちは、はちすゆうきです。
この前、複数の方が集まるイベントに参加してきたのですが、
その中で「趣味は読書です」とお話ししたところ、
「一番おすすめの本は何ですか」と質問していただきました。
これまでたくさんの本を読んできましたが、
「まず1冊おすすめするなら何か」と考えたとき、
やはりコミュニケーションの本は外せないと感じています。
私たちが人と関わりながら生きていく上で、
日々の会話や言葉の選び方は、人間関係の心地よさを大きく左右するからです。
その中でも、私が特に多くの方に読んでいただきたいと感じているのが、
世界的な名著であるデール・カーネギーの『人を動かす』という本です。
今日はこの本の中から、
日常の会話でたった一言変えるだけで相手の受け取り方が変わる「言葉の選び方」をお話しします。
無意識に使っている「でも」「しかし」の罠
『人を動かす』の本の中には、
人間関係や会話の本質が数多く書かれています。
相手を決して否定しないことや、
相手の自尊心を満たすことなど、大切な原則がたくさんあるのですが、
その中でも特に日常生活ですぐ実践できて、大きな変化を生む項目があります。
それが、本の後半で紹介されている「遠回しに注意を与える」というパートです。
ここでポイントとして挙げられているのが、
私たちが普段の会話で何気なく使っている「接続詞」です。
普段の自分の話し方を、少し振り返ってみてください。
誰かと会話しているとき、無意識のうちに、
「〇〇だよね。でも、〇〇だよ」
「〇〇なのは分かる。しかし、〇〇なんだよね」
といった言葉を使っていないでしょうか。
この「でも」や「しかし」という接続詞は、
意識していないと、つい口から出てしまいやすい単語です。
けれど、この言葉が会話の中でどんな働きをしているかというと、
「後ろに続く言葉を強調するために、その前に言ったことをすべて否定する」という役割を持っています。
たとえば、相手が一生懸命に自分の考えを話してくれたとします。
それに対して、こちらが「そうだね、でも〇〇じゃないかな」と返してしまうと、
言葉の構造上、相手が話してくれた内容を丸ごと否定した形になってしまうのです。
言っている本人に否定するつもりはまったくなくても、
受け取る相手からすると「えっ、否定された」という感覚が残ります。
その結果、心のシャッターが閉じてしまい、
こちらが本当に伝えたい大切な内容まで入っていかなくなるというすれ違いが起きてしまいます。
否定の接続詞を「足し算の選択肢」に変える
では、どうすれば相手の心を閉じさせずに、
自分の意見やアドバイスを届けることができるのでしょうか。
その答えは、とてもシンプルです。
「でも」や「しかし」という接続詞を使いそうになった場面で、
つなぎの言葉を別の単語へと置き換えることです。
具体的には、「でも」の代わりに、
「その上で」や「そして」という言葉を使います。
「でも」や「しかし」が前の話を打ち消す「否定の選択肢」だとすれば、
「その上で」や「そして」は、相手の話に積み重ねていく「足し算(AND)の選択肢」です。
・Before:「言いたいことは分かった。でも、ここを直した方がいい」
・After:「言いたいことは分かった。その上で、ここを工夫するとさらに良くなる」
このように、一度相手の話をそのまま受け止めてから「その上で」とつなげると、
相手は否定されたと感じることなく、自然な流れで次の言葉を受け取れるようになります。
普段の日常会話の中で、
「その上で」という言葉を意識して使っている人は、実はそれほど多くありません。
聞き慣れない言葉だからこそ、
周りの人が無意識に「でも」を使っている場面で、自分だけは「その上で」と言い換える。
たったそれだけの違いで、
相手に与える安心感や信頼感は大きく変わっていきます。
今日、「でも」を1回だけ「その上で」に変えてみる
日本語の会話は、ほんの少しの言葉選びで、
相手への伝わり方がまったく別のものになります。
せっかく相手のためを思って伝える言葉だからこそ、
無意識の「でも」で相手を否定してしまうのはもったいないことです。
まずは今日、家族や職場の仲間と話す中で、
自分が「でも」と言いそうになる場面を1回だけ見つけてみてください。
そして、喉元まで出かかった「でも」を飲み込んで、
「そうだね。その上で、こうしてみるのはどうかな」と言葉を添えてみてください。
たった一言の接続詞を変えるだけで、
会話の空気がぐっと穏やかになり、あなたの言葉が相手の心へ素直に届くようになります。